キャバクラの「指名制度」は、とても分かりやすいシステムですよね。一方で、紹介制・会員制クラブで採用されている「係制度」は、複雑で奥が深いシステムです。
ホステスの「係」についてなんとなく理解していても、指名との違いや売上の仕組みについてイマイチ分かっていない人は多いはず。気になって調べてみても、腑に落ちない人もいるのではないでしょうか。
今回は、ホステスの係制度についてどこよりも分かりやすく解説します!指名との違いや給料への影響、複雑な係制度が採用されている理由など、気になる疑問にお答えします。
ホステスに転身したいと思っている人はもちろん、係制度について理解を深めてさらに稼ぎたいと思っている人も必見です!
ホステスの係について知る前に!売上嬢とヘルプの違いを理解しよう
係について知る前に、クラブホステスの働き方には「売上嬢」と「ヘルプ」の2パターンあることを理解しましょう。
売上嬢
売上嬢とは、自分の売上に応じて報酬をもらっているホステスのことです。
積極的な営業をかけてお客様を呼び、売上を上げる努力をします。自分のお客様が来なければお給料は0円。お客様をたくさん呼べれば、収入は青天井です。つまり歩合制ということですね。リスクが大きいけれど、頑張った分の見返りも大きくなります。
頑張りが収入に直結する売上嬢は、適当に夜の仕事をするわけにはいきません。ほとんどの女性が、ホステス一本で生きることを決意して本気で仕事しています。
ヘルプ嬢
ヘルプとは、英語で「助ける」「手伝い」という意味。その名の通り、お店のママや売上嬢のサポートをするのが主な仕事です。
売上嬢のように歩合制ではなく、働いた時間に対して給料が支払われるイメージです。会社組織で例えると、アルバイトのようなポジションですね。
売上を上げるための必死の営業活動は求められないものの、爆発的に稼ぐことはできません。しかし、売上嬢のように「お客様を呼ばなきゃ!」とプレッシャーを感じなくていいのはメリット。学業や昼職のかたわらでホステスをする女性は、ヘルプをすることが多いです。
ホステスの「係」とは
売上嬢とヘルプの違いについて知ったところで、ホステスの係について説明します。
ホステスの「係」とは、簡単にいうと「お客様の担当ホステス」です。お客様やそのお連れ様が、心地よくお店を利用できるよう気を利かせて動きます。
係になれるのは、先ほどご説明した「売上嬢」のホステスです。
ホステスの「係」の仕組み
ここで改めて、ホステスの「係」について詳しく見ていきましょう。
係は自動的に決まる
キャバクラの指名制では、お客様は自分で好きな女の子を選ぶことができますよね。一方係制では、お客様の意思に関係なく自動的に担当ホステス(係)が決まります。
一般的に、クラブは紹介制。紹介をしたお客様の係の女性が、そのまま紹介を受けたお客様の係になります。紹介で来店したお客様は、自分で係の女性を選べないというわけです。
係は一度決まると変更できない
一度決まった係は、基本的に変更不可です。お客様が「係を他の女の子に変えてほしい」と言っても認められません。変更できるのは、係の女性が店をやめた場合のみです。
接客しなくても係に売上が入る
お客様がお店で使ったお金は、全てそのお客様の係の売上になります。係のホステス自身が出勤していなくても、です。
極端なことを言えば、係が家で寝ていても売上が入るということ。キャバクラのように、必ずしも自分で接客する必要はないのです。
ホステスの「係」がやること
ホステスの係制度について解説しましたが、みなさんの頭には色々と謎が浮かんだのではないでしょうか。
「自分で係を選べなければ、お客様は不満じゃない?」
「どんなに頑張っても売上が係に入るなら、ヘルプは損じゃない?」
など、納得できないことも多いはずです。これらの疑問は、係の役割について見ていけば解決しますよ!ホステスが係になったらやるべきことについて見ていきましょう。
係がやること1.売上を上げる営業努力をする
ホステスは、係になったら売上を上げる努力をします。具体的には、以下のようなものです。
- 営業メールを送る
- お礼状を書く
- お中元・お歳暮の手配をする
- お土産を手配する
- お客様の誕生日やご家族の祝い事に贈り物をする
お客様を店に呼ぶため、信頼関係を築くために、決して安くはない経費をかけてお付き合いをします。キャバクラで営業活動をしている人なら分かると思いますが、お客様を維持するのは簡単なことじゃありませんよね。
クラブホステスの場合、お客様を呼べないことは死活問題。お茶を引いても最低時給はもらえるキャバ嬢と違い、係はお客様が来なければ1円ももらえないのです。
ヘルプであれば、上記のような営業活動をする必要はありません。誤解を恐れずに言えば「ただ座って接客するだけ」で、日給をもらえるのです。売上が全て係に入ることは不満かもしれませんが、気楽に高収入な夜のお仕事ができるという意味でメリットがあります。
学業や本業があって片手間でホステスをしている女性は、ヘルプになることが多いのはこのためです。
係がやること2.お客様が心地よく過ごせる空間を作る
係のホステスは、担当するお客様が満足できるような空間を作るのが仕事です。そのお客様が気に入っている女の子を席に呼んだり、お連れ様が好みそうな女の子をつけたりします。必ずしも自分が前に出て接客する必要はないのです。
これは、1対1の接客が基本のキャバクラのイメージを持ったままだと理解しにくいかもしれませんね。クラブは、1人のお客様に対して複数人のホステスをつけます。キャバクラは「自分が気に入られること」が絶対条件ですが、係制度を採用するクラブは「お店を気に入ってもらうこと」が大切です。係は、席の雰囲気をマネジメントする役割と考えればいいでしょう。
これで、お客様が係を変更できなくても満足できるわけが分かりましたね。係ではない、他の女性と話したり同伴したりできるため、特に大きな不満が出ることもないのです。
「キャバ嬢は個人戦、ホステスはチーム戦」と言われる意味が分かりましたね。
係がやること3.ヘルプの女の子への配慮
係のホステスは、ヘルプの女の子へ敬意を払う必要があります。ヘルプの子は、自分の売上にならないにもかかわらず、接客を頑張ってくれているからです。お店での接客だけでなく、お客様とのメールのやり取りや来店予約、同伴をしてくれることもあります。
係のホステスがヘルプの子に対して感謝の態度を示さなければ、不満が出るのは当然。シャンパンが入ったらバックを分けてあげたり、ちょっとしたプレゼントをあげたりと、日頃から信頼関係を築くことが大切です。
係制度はホステスが長く働けるよくできたシステム
係制度は、年を重ねたホステスの仕事を守ってくれるシステムです。
指名制のキャバクラだと、どうしても若い女の子ばかりに指名が殺到してしまうでしょう。いちいち指名替えされては、ベテランホステスは安定して稼げなくなります。
自分が主役にならなくてもいい係制度であれば、ホステスは長く仕事を続けられます。これが、キャバ嬢よりホステスの方が年齢層が高めな理由です。
ホステスの係は奥が深い!指名制との違いを理解して自分に合う接客を見つけよう
ホステスの係制度は、複雑で理解が難しいシステムです。一見あちこちで不満が出そうに思えますが、実はみんなにメリットがあるいい制度といえます。
今の自分にはどんな働き方が向いているのか、これからどういった働き方をしたいのか、考えるきっかけになれば幸いです。