高級なフレンチなんて、普段はなかなか食べる機会がありませんよね。
フルコースを食べた経験がなく大人になったという方も、けっこういるのではないでしょうか。
キャバ嬢を始めると、同伴でフレンチに行く機会が増えます。
マナーを全く知らないと、お客様をがっかりさせてしまうかもしれません。
逆にエレガントに食事ができれば、お客様から一目置かれる存在になり、人気も出る可能性がありますよね。
今回は、キャバ嬢のみなさんに最低限覚えて頂きたいフレンチのマナーをご紹介します。
フレンチのマナーは奥深いので、突き詰めれば覚えることが膨大にありますが、とりあえず今日ご紹介するものさえ身に付けていれば恥をかくことはないでしょう。
入店から着席まで
入店から着席までにもマナーがあります。
もたつかずスマートに着席できればかっこいいですね。
女性から入店する
フレンチでは、女性はエスコートされるべき存在。
女性であるあなたが先に入店し、お客様には後からついてきてもらいましょう。
いつもの感覚だと、お客様である男性を先にお通ししたくなりますよね。
ただ、フレンチにおいてはエスコートは男性の役目なので、あなたから入店してください。
そうしないと、お客様は「女性のエスコートができない男性」と見られ、逆に恥をかかせてしまいます。
慣れたお客様であれば、店のドアを開けて先に通してくれるはずです。
椅子に自分から座らない
ファミレスのように、自分で椅子を引いて座るのはNGです。
フレンチでは、お店の方に椅子を引いてもらいます。
「いいです」「大丈夫です」なんて、決して言わないでくださいね!
この時、椅子の左側に立つようにしましょう。
椅子が引かれたら、椅子とテーブルの間に入ります。
ウェイターが引いた椅子が膝裏に触れたら、ゆっくり腰をおろします。
椅子には深く腰掛け、体とテーブルの間は握りこぶし2つ分くらい空けておきます。
バッグは正しい位置に置く
大きな荷物は、あらかじめクロークに預けておきます。
貴重品などが入っている小さなバッグは、椅子と背もたれの間に置きましょう。
自立するタイプのバッグなら、左側の足元に置いても構いません。
ナプキンの使い方
フレンチといえばナプキン。
ナプキンは手や口元の汚れを拭くためのものです。
使い慣れないものだと、いざという時の扱いに困りますよね。
マナーを知っているか、そうでないかがすぐに分かってしまう部分なので、使い方をしっかり身に付けましょう。
半分に畳んで膝の上に置く
飲み物を注文し、運ばれてくるのを待っているタイミングで、ナプキンを半分に畳んで膝の上に広げます。
(ナプキンを広げるタイミングには所説あります。同席の方に合わせるのもおすすめです)
この時、輪っかになっている方を自分のお腹側に向けるようにしましょう。
ナプキンの内側を使って汚れを拭き取る
食事中に口元や指先が汚れた時は、ナプキンの内側を使って拭き取っていきます。
自分の服が汚れることもなく、汚れが人目にもつかないので常に綺麗な状態を保てます。
席を外す時は椅子の上に置く
お手洗いなどで席を外す時、ナプキンは椅子の上に軽く畳んで置いておきます。
これは「戻ってくる」という合図になります。
帰る時はテーブルの上に置く
食事が済んでお店を出る時は、テーブルの左側にナプキンを置いておきましょう。
この時、角を合わせて綺麗に畳む必要はありません。
「ナプキンを畳み忘れるほど食事がおいしかった」という意味になるからです。
カトラリーの使い方
次に、カトラリーの使い方について見ていきましょう。
カトラリーとは、ナイフ・フォーク・スプーンなどのこと。
綺麗にカトラリーを使えると、お上品に見えますよ。
カトラリーは外側から使う
フルコースのフレンチの場合、皿の両サイドにカトラリーがたくさん並んでいます。
多い時でなんと16個もセッティングされているのです。
しかし、どんなに数が多くてもルールはひとつ。
「カトラリーは外側から順に使っていく」と覚えておきましょう。
カトラリーを置く時は八の字に
途中でドリンクやパンに手を伸ばしたくなった時は、ナイフとフォークはお皿の上に八の字になるように置きます。
この時、ナイフの刃は内側にして、フォークは背を向けるようにしてください。
カトラリーを落としても自分で拾わない
カトラリーを落とした時は、自分で拾ってはいけません。
ウェイターにお願いして、新しいものを持ってきてもらいましょう。
食べ終えたら右端に寄せる
料理を食べ終えたら、皿の右端にナイフとフォークを揃えて置きます。
「食べ終えました」の合図になるので、ウェイターが皿を持って行ってくれます。
グラスの扱い方
食事はドリンクの乾杯から始まります。
フレンチのグラスの扱い方を覚えて、エレガントに見せましょう。
3本の指でグラスを持つ
グラスは脚の部分を持つようにします。
映画やドラマでボウル(お酒が入っている場所)の部分を掴むように持つのを見たことがある方もいるかもしれませんが、女性がするとエレガントに見えません。
持ち方のルールは色々ありますが、日本人でキャバ嬢という立場であれば、脚を持つのが間違いないでしょう。
親指・人差し指・中指の3本の指で、グラスの脚のすらっと伸びている部分を持つようにしましょう。
乾杯は音を鳴らさない
日本でお酒を飲む時は、たいていグラスとグラスをぶつけて「乾杯!」と言いますよね。
しかし、フレンチではこれはNGなのです。
高級フレンチ店のグラスは、繊細で高価なものを使用しています。
カチンと音を鳴らして乾杯し、万が一グラスが割れたら大変です。
フレンチでの乾杯は、グラスを自分の目の前に掲げて、相手と目を合わせて「乾杯」と言うだけでOKです。
注いでもらう時は何もしない
グラスに入っているドリンクがなくなると、ウェイターが注ぎに来てくれます。
この時、グラスに手を添えたり、持ち上げたりしないようにしましょう。
テーブルの上に置いたままにしておくのがマナーです。
各料理の食べ方
カトラリーやグラスの扱い方が分かったら、もうほとんどマナーをマスターしたようなもの。
ここからは、フレンチの各料理の美しい食べ方を身に付けて、さらにワンランク上の女になりましょう。
前菜
前菜は、フルコースの最初に出てくる華やかな盛り付け料理です。
ナイフとフォークを使って、左側の料理から一口ずつ食べていきましょう。
スープ
フレンチでは、スープは「飲む」のではなく「食べる」と意識しておきましょう。
皿を持って飲んだり、顔を皿に近づけて飲むのはマナー違反です。
スプーンで手前から奥にすくって食べるのが日本の主流。
口に入れる時は、スプーンの先を自分側に向けて流し込むようにしましょう。
スープが残り少なくなってきたら、皿の手前をちょっとだけ持ち上げます。
するとスープが奥の方に流れ込みますので、それをまた手前から奥にすくいあげて食べます。
スープを全て飲み干したいあまりに、ガチャガチャと音を立ててかき集めるのはお行儀が悪いのでNGです。
パン
パンは、ちぎってひと口で食べます。
給食の時みたいに、直接かぶりついてはいけません。
ちぎった部分は自分側に向けて、お客様の方を向かないように配慮しましょう。
パンくずが落ちても気にしないで。
自分でかき集めるのは格好悪いです。ウェイターに任せましょう。
ポワソン(魚料理)
左側からナイフで切って食べていきます。
ポワソンにはソースが添えられていることが多いので、このソースも一緒に食べていきます。
アントレ(肉料理)
ポワソンと同じく、左側から切って食べていきます。
この時、食べやすいようにと始めに全て切り分けてはいけません。
子どもの頃にお母さんにステーキを切ってもらった記憶があると、ついついやってしまいがちですよね。
最初に切り分けると冷めてしまうし、肉汁が全て出てしまいます。
食べる分だけ左側からカットしていきましょう。
サラダ
肉料理と一緒にサラダが出ることもあります。
大きい葉物野菜はそのまま食べるのではなく、一口サイズに切り分けます。
もしくは、ナイフとフォークを使って葉物野菜を折り畳み、フォークに刺して食べましょう。
このような食べ方は普段なかなかしないので、本番でいきなりやるのは難しいです。
家で練習しておくのがおすすめです。
コーヒー・紅茶
デザートと一緒にコーヒーや紅茶が出てくることが多いです。
ソーサーは持ち上げず、右手でカップをしっかりと持って飲んでください。
この時、左手をカップに添えるとお上品に見える気がしますが、実はNG行為。
カップに手を添えるのは「中身がぬるい」というサインになってしまうのです。
その他注意してほしいマナー
その他に、やりがちだけど注意して頂きたいことについてご紹介します。
「すみません」とウェイターを呼ばない
ファミレスや居酒屋で、店員さんに用がある時「すみませーん!」と声をかける方は多いと思います。
お店でも「お願いしまーす!」と元気よく声を張り上げてボーイを呼ぶキャバ嬢さんが多いのではないでしょうか。
しかし、高級なお店でこれをやるのはNG。
ウェイターを呼ぶ時は、声は出さず目で合図を送ります。
高級なお店だと、ウェイターは全ての席の状況をしっかりチェックしているので、すぐ気づいてもらえます。
料理をシェアしない
カフェやファミレス感覚で料理をシェアしないようにしましょう。
格式高いお店でのシェアや、お皿の交換はなしです。
フレンチのマナーを覚えてエレガントなキャバ嬢になろう
フレンチは普段なかなか食べる機会がなく、マナーを身に付けるチャンスが少なかったという方も多いでしょう。
しかし、同伴ではフレンチを食べることも多いです。
一緒に食事するお客様を不快にさせないためにも、ひと通りのマナーを覚えておきましょう。
様々なジャンルの料理の中でも、フレンチは一番難しいです。
フレンチのマナーを身に付ければ、一流の女に一歩近づきますよ。